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動かして学ぶCAN通信(2)

購入したCAN通信基板の課題

 前回は、書籍と購入したCAN通信基板の紹介をしました。今回は、CAN通信基板とマイコンを接続する際の課題について説明します。

 CAN通信基板は5V電源で動作しているので、MCP2515とSPI通信するための信号レベルも5Vになります。しかし、マイコンは3.3V電源で動作するものを使用する予定なので、SPI通信で使用している信号(4本)を5V/3.3Vレベル変換しないと、通信できません。

 マイコンはLPC1768を例にしていますが、MCP2515のI/O端子電圧レベルと、MPC1768の電圧レベルを記載したのが下図です。

02-02_レベル変換が必要


 通信に使用する信号は、SCK,CS,SI,SOの4本です。

 SCK,CS,SIは、マイコン⇒MCP2515の向きに信号が送られ、SOはその逆になります。上図のように数字だけではわかりにくいので、それぞれの電圧レベルと課題がわかりやすくなるように図示したのが下図です。

02-03a_LPC1768⇔MCP2515のインターフェイス電圧


 LPC1768からMCP2515に信号を送る場合、Lowレベルは問題なさそうですが(ノイズマージンが狭いので、本当であれば、LPC1768の出力Lowレベルが0.4V未満、というのが理想です)、Highレベルについては、MCP2515の閾値に対して、LPC1768の出力するHighレベルが0.2V不足していますので、このままではHighレベル信号が送信できません。

 逆に、MCP2515からLPC1768に信号を送る場合、Lowレベルは問題ありませんが、Highレベルについては、端子入力電圧範囲(絶対最大定格)を超える電圧が入力されるおそれがありますので、このままでは、マイコンが壊れてしまう可能性があります。


次回は?

 開始早々、大変なことになってしまいました。
 電圧レベルがあわないときは、レベル変換ICを使用します。次回は、レベル変換ICを使用することで、通信できることを確認します。

 レベル変換ICはDIPパッケージではなく、SOPパッケージだったりするので、変換基板を使わないとユニバーサル基板やブレッドボードで使用できないのが泣き所ですね。

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OoolongTea

Author:OoolongTea
最初は英語の勉強用に始めましたが、最近は電子回路の記事が多くなってきました。
わかりやすく書くようにしていますが、なかなか難しいですね。よかったら電子回路の勉強の参考にしてください。

mbed:LPC1768とは?
 LPC1768は、mbedの一種です。専用のCompile環境がCloud上に用意されているので、ネット環境とPC、そしてmbedがあれば(USBケーブルも必要ですが)、簡単なマイコンを使ったソフトがすぐに作れます。  マイコンを使ってすぐにソフトを作り、楽しみたい人向けです。ブレッドボードとあわせて購入すると、楽しみがさらにひろがります。
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